DeskCommit開発記
なぜMacのディスプレイ設定を⌃⇧Dにまとめたのか
ディスプレイ設定に、何十分もかかるわけではありません。それでも私がDeskCommitを作ったのは、その数十秒のために、それまで考えていたことをいったん手放すのが嫌だったからです。
執筆: Yuto Takahashi更新日: 動作確認: DeskCommit 0.4.3 (13) · macOS 26.5.1 · Apple silicon
macOS用メニューバーアプリ
DeskCommitとは?
DeskCommitは、選んだディスプレイを矢印キーで基準画面の左・右・上・下へ動かせるメニューバーアプリです。⌃⇧Dで開き、Shift+矢印で端や中央を揃え、変更予定を確認してReturnで適用します。解像度、リフレッシュレート、メイン画面も同じパレットから変更でき、直前の変更は⌘Zで戻せます。
ここからは、機能の作り方ではなく、この小さなアプリを作ろうと思った理由を紹介します。
機能と操作デモを見る数十秒でも、仕事は途切れる
MacBookを机につなぐと、外部ディスプレイにはすぐ映像が出ます。ただ、 そこで仕事を始められるとは限りません。
画面の左右が逆なら配置を直す。文字が小さければ解像度を選ぶ。 必要に応じてリフレッシュレートやメイン画面も確認する。どれも難しい操作では ないし、一つひとつはすぐに終わります。
問題は、そのたびに作業中のアプリから離れ、システム設定を開き、設定する 画面を選び、終わったら元の仕事へ戻ることでした。短い往復でも、その前まで 続いていた思考は止まります。
自宅、オフィス、コワーキング。MacBookは同じでも、つなぐディスプレイが 変われば、配置や解像度をまた考え直すことになる。本当に始めたいのは ディスプレイ設定ではなく、その先にある開発やデザイン、執筆や編集です。
欲しかったのは、設定画面への近道ではない
システム設定を少し早く開けるだけでは、この中断はなくなりません。私が 欲しかったのは、画面環境を整えるための入口を一つにして、同じ流れで 終えられる道具でした。
そこで、DeskCommitは⌃⇧Dで開くようにしました。配置、解像度、 リフレッシュレート、メイン画面のどれを変えるときも、同じパレットを 使います。設定を選び、Returnで確定する。覚えるのは、この流れだけです。
とくに単純にしたかったのが、画面の配置です。動かすディスプレイを選び、 置きたい方向の矢印キーを押す。左なら←、上なら↑です。Shift+矢印キーで端や中央を揃えます。画面の位置関係を直すなら、 操作もそのまま方向で伝わるものにしたかったのです。
DeskCommitを大きなMac管理アプリにしたかったわけではありません。 「画面環境を整えたい」と思ったとき、迷わず⌃⇧Dを押せることを 優先しました。
速さより、ためらわず確定できること
画面設定は、速く変わればよいわけでもありません。解像度を変えれば文字の 見え方が変わり、配置を変えればポインタの移動方向も変わります。選んだ 瞬間に反映されると、操作そのものが不安になります。
DeskCommitは、選んだ設定をすぐには適用しません。まず変更予定を表示し、 使う人がReturnを押して確定します。適用したあとも、パレットを 開いたまま⌘Zを押せば直前の状態へ戻せます。Low Resolutionを含む 変更には、15秒の確認時間を設けました。
DeskCommitという名前にも、この順序を込めています。先に変更内容を見る。 それから、自分で確定する。操作時間を縮めるだけでなく、ためらわずに 使い終えられることが必要だと考えました。
自動で戻す機能を入れなかった理由
保存した設定が、ディスプレイをつないだ瞬間に自動で戻れば便利です。 けれど、意図していないタイミングで画面全体が変われば、その便利さは 不信感に変わります。会議中や画面共有中なら、なおさらです。
現行版では、保存時と同じディスプレイ集合を認識した場合にだけ、復元できる セットアップを候補として表示します。⌘Pから使うセットアップを 選び、手動で復元する仕組みです。
最後の一歩を自動化しなかったのは、機能が足りないからではなく、画面を 変える判断をDeskCommitが勝手に引き受けるべきではないと考えたからです。
設定ではなく、仕事を始めるために
DeskCommitは、macOS 13以降で動く小さなメニューバーアプリです。すべての ディスプレイ問題を解決できるわけではありません。Macが認識していない 画面を見つけることも、ケーブルやドックの制約を越えることもできません。
できるのは、Macが認識している画面の配置、解像度、リフレッシュレート、 メイン画面を、一つの入口から整えることです。
MacBookを机につないだら、⌃⇧Dを押す。画面を整えたら、元の 仕事へ戻る。
設定をするために、別の仕事を始めなくていいようにする。そのために DeskCommitを作りました。
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